インタビュー

2018.10.04

第3回 日本ミニチュアフード協会会員インタビュー【武田恵美さん】 | 日本ミニチュアフード協会


日本ミニチュアフード協会会員さんへインタビュー 第三回

樹脂粘土などでできたミニチュアフード。
その作り方が習える日本ミニチュアフード協会ですが、会員になってもっとミニチュアフード作りを深めて楽しむこともできます。
一体どんな風に楽しめるのか、このインタビューでは、会員さんたちにお話を聞いていきます!

第三回は、武田恵美(たけだえみ)さん。2014年10月に始まった日本ミニチュアフード協会(以下協会)のミニチュアフード教室、その時の生徒さんでもあり、今は協会のトップアーティスト兼講師をされています。
娘さんがお二人いらっしゃり、パート勤務をしながら、協会で活躍中の武田さん。
ミニチュアフードを作る技術がピカイチ、中でもお弁当やお惣菜のシリーズが大人気。
本物のようにおいしそう!と評判で、協会内では憧れの存在でもあります。
お弁当の細かいのにつやつやなご飯粒、お魚のホロッとした身、カリッと揚がった唐揚げからは香ばしい香りまで漂ってきそう。どうやってそのミニチュアが生み出されるのか、人気の秘密に迫りました。

Q. 武田さんは、この10月でミニチュアフードを協会で習い始めて、なんと丸4年。協会の最初の教室の生徒さんだそうですね。それも教室には一番乗りでやってきたと伺っています。


武田
武田

ははは!そうでした!(笑)楽しみだったんですよ、教室に来るのが。それまで趣味の習い事の教室に通ったことがなかったんです。
子育ても一段落して、ホッとして、何かないかなと思っていたら、チラシを見てたまたま見つけたんです。タイミングが良かったんですね!

Q. なんでミニチュアフードだったんですか?


武田
武田

10年くらい前、子供の自由研究で何を作ろうか、と迷って、子供と図書館で参考になりそうな本を探していたら「粘土でミニチュアを作ろう」というテーマの本を見つけたんです。
その本を見てちょっと作ってみたら、子供より親の私がハマっちゃいました。
そこから独学で作り始めて、ブログなどで紹介していたんです。
(ミニチュアフードの教室に出会って)認定コース(※一番最初に受けられるコース、現在は一年コース。)を受けて、修了したら、さらに当時協会で初めて開かれた「趣味クラス」も受講しました。
普通ミニチュアといったら、ドールハウスでよくある1/12サイズが一般的なんですが、この協会では、そのサイズの制約がなくて。好きなサイズで作っていいとのことだったんで、続けてみたいと思って。

Q. 趣味クラスが終わった後は?


武田
武田

講師のアシスタントに声をかけていただきました。(※当時のシステムです。)
そのあと、認定講座の講師を一人で担当して、そのあと2017年の春から趣味クラスの講師を依頼されました。


Q. 趣味クラスは、認定講座を修了した方であれば受講できる、半年で一つの作品を作り上げるコースです。実はこのコースは、講師の方がゼロからカリキュラムを考えるんですよね。
ということは、趣味クラスを担当できる講師の方は協会の中でも限られた方のみ、ということになります。すごいことです。


武田
武田

最初の趣味クラスでは、自分で自由にカリキュラムを作れる分、あれもこれもやりたくなっちゃって、色々詰め込みすぎちゃったかな、と思うこともありました。

Q. でも、今や武田さんのクラスは協会の他の講師の方が習いにいらっしゃるとか。
生徒さん達にも、「必ずおいしそうなものが作れるクラス」と評判で、空きが出たらすぐに埋まってしまうほどの大人気クラスだそうですね。


武田
武田

いやいやいや!むしろ生徒さんに支えられてます!自分のことを「先生」だなんて思ったことなくて!みんなが楽しく作れるサポート的な存在だと思っています。

Q. 謙虚ですね!そこがまた武田さんのクラスが良い雰囲気になっている理由でもあるんでしょうね。趣味クラスの講師という大役を任されている上に、協会のトップアーティストとしても憧れの存在ですよね。初めて作品を出品したのはいつですか?


武田
武田

2016年ですね。百貨店への出品でした。百貨店ときいて、「こりゃ大変だ!」って、緊張しました!
その頃は、出品する作家さんがまだ少なくて、それぞれの作家さんに何を作るか依頼がありました。私は、もともとお惣菜のミニチュアフードをよく作っていたので「お弁当」の依頼でした。


Q. どのくらいの数、作ったんですか?


武田
武田

5種類のお弁当を10個ずつくらい!死ぬかと思った・・・笑

Q. お客さんの反応は、野津代表もすっごくよかった、と話しているそうですが、初めて売れた時はどうでしたか?


武田
武田

嬉しかった~~~。百貨店での販売なので単価も高くなりますが、それでも買っていただけて。

Q. さらに、別の百貨店販売の時に、地方のお客様から、武田さんの作品が欲しいと電話注文が入ったそうです。


武田
武田

死ぬほど喜びました!そこまでして欲しい!と思ってくださるなんて!

Q. 野津代表によると、武田さんの作るミニチュアフードは、本当においしそうで、リアル、どアップで見てもリアルなので、写真に撮りたくなる作品だそう。お弁当シリーズは、フランスでも展示・販売されたそうです。それにしても、なぜスイーツよりもお弁当やお惣菜をよく作られるんですか?


武田
武田

まだ子供が小さかった頃、実家に新幹線を使って帰省していたんです。その時に新幹線でお弁当を食べるのが好きだった、からかな??(笑)

Q. その、いい思い出が作品になっているんですね!武田さん、といえば、お弁当・お惣菜シリーズと言われるほどですが、中でも自信作はありますか?


武田
武田

自信作というか・・・大変だったのは、わっぱ飯弁当と、舟盛りですね。
わっぱ飯は、1年がかりで、舟盛りは、2年ほど前に一度作って失敗して放置していたんですが、先日出品する機会があったときに気合をいれてもう一度作り上げました。
器になる木を曲げる作業が難しくって、何十個も作っては失敗しました。
独学で研究を重ねて・・・。根気が必要でしたね。
とくに舟盛りはできたとき、感動!!でした。やっとできたーーー!って。
まあ、まだアラはあるんですけどね。(笑)


Q. 十分すぎるクオリティだと、野津代表から聞いていますよ。野津代表によると、武田さんの作品は、「実物を生で見てみたい!」と、協会中から憧れのまなざしを集めているそうです。
ちなみにこれまで作られたわっぱ飯は完売、舟盛りも順調な売れ行きだとのことです。
これだけこだわって作られているということは、もともとものづくりが好きだったんですね?


武田
武田

いえ、ものづくりが好きだったわけじゃなくて。もともと美術の専門学校に通っていて、絵の勉強をしていました。そしてその後グラフィックデザイナーとして就職しました。当時は夢もありましたが、現実は厳しくて、絵を描くことも楽しくなくなってきちゃって。結婚して退職して、子育てをしているうちに、そんな夢も忘れていたころ、最初にお話したように、自由研究でミニチュアに出会ったんです。立体のものを作ったのはそれが初めて。そして今は、協会と出会って!すごくやりがいがあります。絵の時は全然だったけど・・・。

Q. 今は活躍の場を見つけて、諦めかけた夢が、今の形になって叶ったんですね。
実は、粘土やUVレジンなどを扱っている株式会社パジコさんのカタログにも武田さんの作品が掲載されたこともあります。
それほどの作品が作れるのは、実は、絵を勉強した経験も生きているんですかね?


武田
武田

そうですね!とくにミニチュアフードの色が重要なんです!おいしそうに出来るかどうかは、色で変わってくる・・・。
自分で考えて混ぜて作って色をつけるので、その人次第なんです。
絵を学んだ経験は、この色づくりに生きていると思います。

Q. だから一段とおいしそうな作品ができるんですね!
楽しい思い出や、一見挫折とも思える経験すらミニチュアフードに生きているからこその、今。これが「おいしそうなミニチュアフード」の人気の秘密ですね。


武田
武田

今は、ミニチュアに癒されています。普段の生活でイライラすることもありますが、講師の仕事をした帰り道は幸せな気持ちです。それに、講師をするために、服装にも気を遣うようになりました!昔はTシャツとGパンしか着ていなかったのに、白のブラウスなど普段着なかった服を買って。・・・ちょっと野津代表に寄せようと思って!(笑)
清潔感、は、心がけています。スイッチを切り替えて講師をしています。
もちろんミニチュアフードを作る作業も、日々の色んなことを忘れて没頭できるので楽しいです。

Q. 生活にハリが出た!という感じがしますね。


武田
武田


もう老後も一生(ミニチュアフードを作って)楽しもう!と思ってます!!
代表の人柄がいいし、講師同士も仲がいいから「続けたい!」と思うんですよね。
そして、次はもっと良いものを作ろう、もっとちゃんとしないと!って意欲も湧いてます。
まだまだなんで・・・。

どこまでいっても謙虚な武田さん。しかし、その作品は、本当にどれもおいしそうで、見ているだけで、お腹が「グーーーッ」と鳴ってしまう・・・。アップの写真を見せられたら本物のお料理だと信じてしまうほどのクオリティです。この大人気の作品の秘密は、実は諦めかけた夢が、もう一度花開いたことにありました。「あの頃の夢」が、記憶の中に眠ったままになっている方も、武田さんのように、日本ミニチュアフード協会というステージで、またその夢を輝かせることが出来るかも!
まずは、輝きを放つ「カリスマ」でもある武田さんの作品をご覧になってみては?・・・ただしお腹が空いてしまうことは覚悟して♡


武田恵美さん プロフィール

・日本ミニチュアフード協会トップアーティスト
・日本ミニチュアフード協会認定講師/スペシャリスト
・趣味クラス担当講師

作品
・株式会社パジコ様カタログ掲載
・BIOcafeコラボ商品制作
・香食楽コラボ商品制作
・玉川高島屋販売・展示
・新宿伊勢丹販売・展示
・蔦屋家電販売・展示
・Paris Sazanka販売
・ANIME NYC販売

インタビュー・著 みけ♡
※インタビューの内容の中に、現在の協会のシステムと異なるお話がありますが、
会員さんのお話の内容当時のものです。ご了承くだいませ。