インタビュー
2021.11.09
第14回 日本ミニチュアフード協会会員インタビュー【美花さん】 | 日本ミニチュアフード協会
日本ミニチュアフード協会会員さんへインタビュー 第十四回
樹脂や粘土などでできたミニチュアフード。その作り方を学べる日本ミニチュアフード協会(以下協会)の会員さんをインタビューする本ページでは、アーティストたちを深掘りし、豊かな個性を読者の皆さまにお伝えしています。
第十四回目は、世界一の観光都市・米国ニューヨーク市で活動されている美花さんをZoomでインタビューしました。
野津先生からいただいた事前情報によると、イラストレーターやグラフィックデザイナーとしてNYで活躍されており、2020年7月にはブルックリンにBar「MIKA」をオープンした日本人女性とのこと。さらに今年8月にはロックダウン後、NYでは初となるミニチュアフードのワークショップを開き、大盛況だったそうです。
今回も面白いお話が聞けそうな予感に胸が高鳴ります。
樹脂や粘土などでできたミニチュアフード。その作り方を学べる日本ミニチュアフード協会(以下協会)の会員さんをインタビューする本ページでは、アーティストたちを深掘りし、豊かな個性を読者の皆さまにお伝えしています。
第十四回目は、世界一の観光都市・米国ニューヨーク市で活動されている美花さんをZoomでインタビューしました。
野津先生からいただいた事前情報によると、イラストレーターやグラフィックデザイナーとしてNYで活躍されており、2020年7月にはブルックリンにBar「MIKA」をオープンした日本人女性とのこと。さらに今年8月にはロックダウン後、NYでは初となるミニチュアフードのワークショップを開き、大盛況だったそうです。
今回も面白いお話が聞けそうな予感に胸が高鳴ります。
Q. 初めまして。日本とNYでは時差が13時間あるので、そちらは現在21時ですよね。遅い時間からのインタビューに応じてくださってありがとうございます。
全然大丈夫ですよ。バーの様子、ご覧になりますか? ニューヨークはすっかりコロナの規制が緩和され、通常通りに戻っています。みんな楽しそうでしょ?
(Zoomの画面越しに、白を基調にしたモダンでスタイリッシュなカフェバーの様子が映し出されました。広々としたスペースで、大勢のニューヨーカーがバータイムを楽しまれています)
(Zoomの画面越しに、白を基調にしたモダンでスタイリッシュなカフェバーの様子が映し出されました。広々としたスペースで、大勢のニューヨーカーがバータイムを楽しまれています)
Q. とてもいい雰囲気ですね! おしゃれでセンス抜群の空間にテンションが上がります。会員さんのインタビューで海外に飛び出すのは今回が初。何から質問しようか迷ってしまいます。
何でも答えますよ!気軽に聞いてください(笑)
Q. では、本題であるミニチュアフードとの出合いから聞かせていただけますか?
ミニチュアフードとの出合いは2019年5月。知人から「ミニチュアフード作りの講座が開催されるらしいよ」と、教えてもらったのがきっかけです。昔からミニチュアや小さいものが大好きで、「NYで⁈ ならば是非参加したい」とすぐに申し込みました。二日間で計240分を受講するカリキュラムだったのですが、とっても楽しくて。ラーメンを器から作るなど、基礎的な知識や技術もしっかりと教えていただきました。
実はあまり詳細を見ずに参加したのですが、受講後に「オンラインで追加の授業を受けて試験に合格すれば講師になれる」と聞き、「折角だしトライしよう!」と決めて、習得した流れです。
実はあまり詳細を見ずに参加したのですが、受講後に「オンラインで追加の授業を受けて試験に合格すれば講師になれる」と聞き、「折角だしトライしよう!」と決めて、習得した流れです。
Q. 即決即断でかっこいいです。講師になるためのオンライン講座の受講の決め手は何だったのですか?
代表の礼奈さんの存在ですね。NYでの講座で出会ったのですが、教え方は上手だし、褒めてくださるし、すごく良い方だし…。「こんなに良い人本当にいるの?」って疑いたくなるくらいで(笑)。クリエイティブな方向性や感性にすごく同調するところがあったので「この方と一緒に何かできたら絶対面白い」と思いました。
Q. なるほど! 野津先生の存在も大きな要因の一つだったのですね。そしてその後、11月には講師としてニューヨーカーに向けたワークショップを開かれています。すごいスピード感で驚きました。
最初の教室は、NY市内で日本文化を発信されているカルチャースペース「RESOBOX East Village (レゾボックスイーストビレッジ店)」で、2時間のワークショップを4回開催しました。この時は、東京から礼奈さんが来てくださったので、大船に乗った気分で実施でき、緊張せず楽しめました(笑)。
Q. 「パン&ペイストリー作り」と「器から作る3センチのラーメン作り」を実施したそうですね。野津先生からは、美花さんはデザインのお仕事もなさっていて、もともとセンスがあるし、教えるのがとてもお上手だったと聞いています。その後も講師として活動されているのですか?
直後に一人でクラスも開催しましたが、2020年3月にNYがロックダウンしたため、1年以上休止していました。
再開したのは、規制が緩和され、日常が戻った今年の8月です。平日の夜と土曜日の昼間に「パン&ペイストリー作り」のクラスを開催しました。特に土曜日は大盛況で20人も参加者がいたため、モニターで手元を映しながら実施しました。
再開したのは、規制が緩和され、日常が戻った今年の8月です。平日の夜と土曜日の昼間に「パン&ペイストリー作り」のクラスを開催しました。特に土曜日は大盛況で20人も参加者がいたため、モニターで手元を映しながら実施しました。
Q. 20人はかなり多いですね。ニューヨークを起点にアメリカでも広がりそうな予感がします。参加者に特徴はありましたか?
年齢層でいうと20、30代がメインで、親子で参加される方もいました。2時間のクラスだったのですが、定時になっても帰らない人が多くて(笑)。皆さんとても熱心でしたよ。
Q. 夢中になっちゃったのですね。ニューヨークでパンと言えばベーグルのイメージが強いのですが、今回はどんなパンを作られたのですか。
パンの種類はベーグル、クロワッサン、バゲット、チョコレートコロネ、メロンパンです。基本的には5つのパンを作り、希望者はもう一つ作ってもOKというスタイルで実施しました。ちなみにほぼ全員が6個目を作っていました(笑)
Q. ミニチュアフード作りを通じて、日本人と米国人との違いを感じるポイントはありますか?
今回のクラスに限らず、開催するたびに感じるのは、アメリカ人の圧倒的な自由さと自信です。例えばパンの色をピンクにしたり、大きさを驚くほど大きく作ってみたり、変形させてオリジナルを作ってみたり…。個性豊かな作品がたくさん出来上がります。難しいと説明しても「次はラーメンが作りたい」というリクエストをたくさんいただきます。
Q. まさに文化の差ですね。米国では日本よりも子どもの可能性を大切にし、蝶よ花よと育てられるという話をよく聞きます。こういった文化的背景もあり、個性や自信が際立つのかもしれないですね。そんな米国でミニチュアフードが普及したら、新たなスタイルが生まれたり、幅が広がったりしそう。
そして、ラーメン作りのリクエストも来ているとのことですが、次回の開催日は決まっているのですか?
まだ計画中の段階です。野津先生のミニチュアフード愛を、NYから全米に広げられるように動き出さないと♪
Q. 全米!それは凄いですね。でも、美花さんならできそうな予感がします。 初対面からまだ1時間程度しか経っていませんが、パワフルさとオーラを画面越しに感じていますよ〜(笑)。 そもそも、美花さんがNYで暮らし始めたのはいつからなのですか? もしかしてアメリカ生まれ?
いやいや(笑)。生まれも育ちも東京です。米国には大学に入るためにやって来たので、移住したのは18歳の時です。
Q. 志望校がアメリカにあったということですか?
というより、日本に行きたい大学がなかったんです。
受験生の時、デザイン、写真、ジャーナリズム…と、やりたいことが沢山ありすぎて、「この学部のこの学科」と決めきれきず悩みました。結局、受験して志望校に合格はしましたが、どうも気が進まなくて…。
そんな時に父から「ならばアメリカに行ってみたら? もっと自由に色々学べるよ」と勧められ、NYの短大を受験し直して渡米しました。
短大ではアートを専攻しながら、ジャーナリズムや写真、イラストレーションなどさまざまな分野を学び、その後、FIT(ニューヨーク州立ファッション工科大学)に編入。さらにグラフィックデザインなども勉強しました。色々と試した結果、最終的に自分が最もやりたいことはイラストレーションと気付くことができました。
受験生の時、デザイン、写真、ジャーナリズム…と、やりたいことが沢山ありすぎて、「この学部のこの学科」と決めきれきず悩みました。結局、受験して志望校に合格はしましたが、どうも気が進まなくて…。
そんな時に父から「ならばアメリカに行ってみたら? もっと自由に色々学べるよ」と勧められ、NYの短大を受験し直して渡米しました。
短大ではアートを専攻しながら、ジャーナリズムや写真、イラストレーションなどさまざまな分野を学び、その後、FIT(ニューヨーク州立ファッション工科大学)に編入。さらにグラフィックデザインなども勉強しました。色々と試した結果、最終的に自分が最もやりたいことはイラストレーションと気付くことができました。
Q. 枠にとらわれずトライしたことで、天職に出会えたという訳ですね。イラストレーションのどんな部分に惹かれたのですか?
自分が生み出したもので、人を喜ばせられるところです。
卒業後はイラストを生かし、広告やテキスタイルの制作、ロゴデザインなどの仕事をしています。また、京都にあるギャラリーから声を掛けていただき、NYをテーマにしたイラストのオリジナル作品も販売しています。
2012年に永住権を取得してからは、フリーランスになり「レストランコーディネート」などもやったりしました。
卒業後はイラストを生かし、広告やテキスタイルの制作、ロゴデザインなどの仕事をしています。また、京都にあるギャラリーから声を掛けていただき、NYをテーマにしたイラストのオリジナル作品も販売しています。
2012年に永住権を取得してからは、フリーランスになり「レストランコーディネート」などもやったりしました。
Q. え?唐突に新しい分野の仕事が出てきて驚きました(笑)観光で訪れた人とかにレストランを紹介する仕事ですか?
そうです。食べることが大好きで、学生時代からNYにあるレストランを食べ歩いていたので、NYの飲食店事情にはかなり詳しいんです。
そして、全然唐突ではないんです。「ミニチュアが好き」「食べ物好き」だからこそ、ミニチュアフードにはまってる人なので♡
そして、全然唐突ではないんです。「ミニチュアが好き」「食べ物好き」だからこそ、ミニチュアフードにはまってる人なので♡
Q. まさにその通りですね。色々と繋がっていますね。 さらに、2020年7月からはBar「MIKA」のオーナーとしても活躍なさっています。ここでは、ミニチュアフードのワークショップをはじめ、多種多様なイベントを主催されていると聞きました。スペースを開かれた経緯やコンセプトについて教えていただけますか
2013年にパートナーとこの場所を購入しました。折角ならば、誰かに貸すよりも自分で何かやってみようと思ったことが切っ掛けです。
結果的に、「アーティストとしての経験を生かし、クリエーターが作品を発表する場所を作りたい」「面白いイベントを企画して人を喜ばせたい」「美味しい食べ物や飲み物を提供したい」「自分自身が色々な分野のアーティストとコラボレーションしてみたい…」などなど、自分のやりたいことや好きなことが詰まったスペースになりました。
自慢のクラフトビールやヴィーガンにも対応できる食事、カフェメニューなどを揃え、気軽に一人でもふらっと立ち寄ってもらえますし、日本酒を集めて紹介するイベントや、手作り作家のポップアップショップなども開催しています。
将来的には、「〝MIKA〟に行けば、何か面白いことに出会える」と、多くの人が認知してくれるコミュニティー空間として、地域のアイコン的な存在に成長させていきたいです。地域貢献できることが一番ですね。
結果的に、「アーティストとしての経験を生かし、クリエーターが作品を発表する場所を作りたい」「面白いイベントを企画して人を喜ばせたい」「美味しい食べ物や飲み物を提供したい」「自分自身が色々な分野のアーティストとコラボレーションしてみたい…」などなど、自分のやりたいことや好きなことが詰まったスペースになりました。
自慢のクラフトビールやヴィーガンにも対応できる食事、カフェメニューなどを揃え、気軽に一人でもふらっと立ち寄ってもらえますし、日本酒を集めて紹介するイベントや、手作り作家のポップアップショップなども開催しています。
将来的には、「〝MIKA〟に行けば、何か面白いことに出会える」と、多くの人が認知してくれるコミュニティー空間として、地域のアイコン的な存在に成長させていきたいです。地域貢献できることが一番ですね。
Q. 日本ミニチュアフード協会の米国支部長(笑)が美花さんで、とても心強いです。
チャレンジしたいことが多すぎて、なかなか実行に移せていないことも多いのですが、ミニチュアフードは全米で楽しめる可能性を秘めていると感じています。ニューヨークでは「お寿司」「お弁当」など、日本の文化が伝わる題材で教室を開けたら…など、楽しみは広がるばかりです。
コロナ禍という未曾有の出来事を通して、時間の大切さをより実感されている方は多いのではないでしょうか? 美花さんとお話をしていると、人生という限られた時間を、驚異的な行動力でエンジョイされているように感じます。
私は一般的なライターですが、「迷ったら挑戦する方を選ぶ」ように努力しています。ただ「忙しくて今は無理かも…」「来週にしよう」と、先延ばしになって熱意が冷めてしまうことも…。今回の取材を通して、「鉄は熱いうちに打て」。好機を逸してはならないと、良い刺激を受けました。
イラストレーター、グラフィックデザイナー、バーのオーナー、イベントプランナー、そして日本ミニチュアフード協会認定講師…。この多才さは、生まれ持っての才能もあると思いまが、直感に従い軽快にトライする姿勢あってこそ! やっぱりかっこいいです(^^)
最後に、世界中のクリエーターが集うニューヨークで、バリバリと働く美花さんに「どんな時にミニチュアフードを作っているのですか?」と質問すると、「私にとって、まさに粘土セラピー。癒やされたい時にコネコネしています」とのこと。「か、かわいい…」。そのギャップにキュンとしちゃいました(笑)
私は一般的なライターですが、「迷ったら挑戦する方を選ぶ」ように努力しています。ただ「忙しくて今は無理かも…」「来週にしよう」と、先延ばしになって熱意が冷めてしまうことも…。今回の取材を通して、「鉄は熱いうちに打て」。好機を逸してはならないと、良い刺激を受けました。
イラストレーター、グラフィックデザイナー、バーのオーナー、イベントプランナー、そして日本ミニチュアフード協会認定講師…。この多才さは、生まれ持っての才能もあると思いまが、直感に従い軽快にトライする姿勢あってこそ! やっぱりかっこいいです(^^)
最後に、世界中のクリエーターが集うニューヨークで、バリバリと働く美花さんに「どんな時にミニチュアフードを作っているのですか?」と質問すると、「私にとって、まさに粘土セラピー。癒やされたい時にコネコネしています」とのこと。「か、かわいい…」。そのギャップにキュンとしちゃいました(笑)
美花さんプロフィール
日本ミニチュアフード協会認定講師
東京都出身、米国ニューヨーク市在住。2019年5月に協会のレッスンに参加し、同年に日本ミニチュアフード協会認定講師の資格を取得し、ニューヨーカーを対象にレッスンを実施。イラストレーター、グラフィックデザイナー、バーのオーナーとしても活躍中。
日本ミニチュアフード協会認定講師
東京都出身、米国ニューヨーク市在住。2019年5月に協会のレッスンに参加し、同年に日本ミニチュアフード協会認定講師の資格を取得し、ニューヨーカーを対象にレッスンを実施。イラストレーター、グラフィックデザイナー、バーのオーナーとしても活躍中。
●日本ミニチュアフード協会認定講師としての活動や作品は下記のインスタグラムアカウントでご覧いただけます
●イラストレーターとしての活動をご覧になりたい方はこちら
●Bar「MIKA」の様子はこちらからご覧いただけます。アイコンになっている、美花さんがデザインされたロゴマークも素敵です
インタビュー /末永朋子
広島を拠点に全国各地を取材し、執筆やイラスト制作を行う。モットーは、受け取った人の未来が、現在より愛に満ち、豊かになる情報発信。
※インタビューの内容の中に、現在の協会のシステムと異なる部分もありますが、
会員さんのお話の内容当時のものです。ご了承くださいませ。