インタビュー

2025.02.16

第21回 日本ミニチュアフード協会会員インタビュー【Erikaさん】 | 日本ミニチュアフード協会

日本ミニチュアフード協会会員さんへインタビュー 第二十一回

樹脂や粘土などでできたミニチュアフード。その作り方を学べる日本ミニチュアフード協会(以下協会)の会員さんをインタビューする本ページでは、素敵な個性を持った講師たちを深掘りし、読者の皆さまにお伝えしています。
第二十一回目は、2020年8月から講座を受け、24年4月からお教室を持つことが決まっているErikaさんをご紹介します。野津代表から『努力家で、日々熱心に練習を重ねている方』と伺っていました。実際に彼女のインスタグラムを覗いてみると、クオリティの高い作品がずらり! 思わず見惚れてしまいました。2月19日から横浜髙島屋で開催のミニチュアフード展「A Little Bit of Japan2025」ではあの崎陽軒とのコラボアイテムも担当されるとのこと。どのような歩みでここまで辿り着いたのか、じっくりお話を伺いました。

Q.早速ですが、インスタを拝見して驚きました。投稿数は1000件以上、フォロワーさんも3700人を超えていて、作品のセンスも素敵です! まずは、ミニチュアフードとErikaさんとの出合いから教えていただけますか?
Erikaさん
Erikaさん
私のインスタを見てくださったのですね。嬉しいです。
ミニチュアフード作りを始めたのは5年ほど前からですが、思い返してみると、ミニチュア自体は小学生の頃から好きでした。例えば、中学の文化祭で美術部の方が作ったものを、お小遣いで初めて購入してみたり、大人になってからだと14年前の結婚式で配ったプロフィールの趣味の欄に「ミニチュアフード集め」って書いてあったり…。

Q.見たり買ったりすることからのスタートだったのですね。無意識のうちにミニチュアフード好きの人生を歩まれている感じですね。
Erikaさん
Erikaさん
ITの営業職として働いていた頃も、遅くまで働いた帰りの通勤電車の中で、ミニチュアフードに関するブログを見ていたり、帰ってからも寝る前に好きなことをしないと気が済まなくて、作り方の本を読んだりしていました(笑)。ただ、「作る」という面では、休みの日に少しだけ趣味として手を動かす程度でした。



Q.本格的に学ぼうと思うに至るきっかけは何だったのですか?
Erikaさん
Erikaさん
興味はあったのですが、「子供が小さいうちは難しいかな…」と感じていて、後回しになっていました。ただ2020年にコロナが広がっていた頃に日本ミニチュアフード協会のHPを見つけて、「こんな素敵な協会があっただなんて!」と衝撃が走ったんです。

Q.これまでも、たくさんのミニチュアフードを見てこられたと思いますし、作り方を教える教室との出合いもあったと思うのですが、「衝撃」を受けたポイントや他との違いはどんなところだったのでしょうか?
Erikaさん
Erikaさん
講座で学べるカリキュラムの内容が一番の衝撃でした。一つの講座に通うだけで、パンケーキ、クレープ、ラーメン、松花堂弁当という、バラエティー豊かなフードたちを作ることができるんです。スイーツ系が作れる教室はたくさんあるのですが、ラーメンやお弁当の中身まで細かく作れることに「なんて凄いんだろう!」って興奮しました。
見つけた日の夜にすぐ、主人に「どうしてもこれがやりたい」と懇願し、承諾してもらいました。この時はまだ、講師やアーティストを目指すという目的は一切なくて、純粋に「作りたい」という思いでいっぱいでした。

Q.長年のミニチュアフード愛が、次のステップへ進んだ瞬間ですね。私の友人に有名な作家さんがいるのですが、その方も本を読むのが大好きで、読んで読んで、コップから溢れんばかりの知識が自分についた後、作品を書いたと聞いています。Erikaさんの場合も、まさに満を持してといった流れですね。
Erikaさん
Erikaさん
はい。とても心が弾みました。あと、「オンラインクラス」という選択肢があって、子供たちが小学校に行っている間にレッスンを受けられるのも一歩を踏み出せた要因の一つでした。


認定レッスン卒業後の趣味クラスで作った作品

Q.2020年の8月からの受講だったと聞いています。実際にレッスンを受けた感想はいかがでしたか?
Erikaさん
Erikaさん
もう嬉しくてしょうがなくて(笑)。授業も楽しいですし、驚くほど真面目にやっていました。ただ、想像より難しくて…。その分、何度も繰り返し作ったり、次回に備えて予習をしたり…。夢中になって、気づくと毎日作ることが当たり前になっていました。インスタグラムは練習の記録として始めたんです。実は講座を受け始めてから、毎日アップしています。

Q.毎日更新されているなんて凄いです。野津代表も立ち上げられた頃、毎日更新なさっていたと伺っていますし…。本当に皆さん努力家で尊敬します。インスタを拝見していると、ペットのハムスターも登場していますね。ペットも小さい生き物で可愛い。
Erikaさん
Erikaさん
そうなんです。ちっちゃいものが、どうしても好きみたいです(笑)。実はハムスターとミニチュアフードとのコラボレーション画像をアップすることも挑戦したいことの一つだったんです。屋号を「小さな小さな食べ物やさん*プティシエール・ピノ」としているのですが、この「ピノ」は、当時飼っていたハムスターの名前なんです。
ミニチュアに関しては、あれもこれもやってみたくなっちゃって…。「自分ってこんなにハングリー精神旺盛な一面があったんだ…」と、驚いています。



Q.メタ認知というやつですね! 講座が終わった後の進路はどうされたのですか?
Erikaさん
Erikaさん
最初はアーティストを目指して認定試験を受けることにしました。お店や企業とのコラボレーションに挑戦できたら嬉しいなという思いが強かったです。
2021年4月にアーティスト会員としてデビューさせてもらった後は、委託販売を始めてみたり、イベントへの出店に申し込んだり、minneもスタート…。自分でも驚くほど積極的に活動しました。

Q.わぁ…。一年前には思いもよらなかった姿になっている感じですよね。ワクワクがとまりませんね!
Erikaさん
Erikaさん
これまでの人生は、どちらかというと広く浅く楽しむタイプの生き方をしていました。
ここまで何かにのめり込んで集中したのは本当に初めてです。協会にはアーティストの資格が何段階かあるのですが、現在はトップアーティスト取得を目指しています。



Q.向上心の固まりですね。4月からは認定講師としてクラスも持つと伺っています。講師にも挑戦することにした理由は何だったのですか?
Erikaさん
Erikaさん
協会会員、そして一人のミニチュアフード好きとして、イベントに参加したり、教室に参加したり…と、様々な場所へ出向く日々の中で、「自分がミニチュアフードに携わっていて、心が弾む瞬間は、どんな時間だろう」と、一度立ち止まって自身を俯瞰したんです。
その時、「自分自身がミニチュアフードに出会えて熱中できる喜びを知り、人生が豊かになった体験を、より多くの人にも届けていきたい。楽しさを広めることに挑戦したい」という自分の欲求に気付いたんです。そこで2022年から講師を目指し、2024年3月に資格を取得。今に至ります。
あと、アーティスト活動の中で、様々なコミュニティーと出会って交流する中で、「私は、やっぱり日本ミニチュアフード協会や、メンバーが醸し出す雰囲気が大好きだし、心地良い」ということに改めて気付いたんです。
「協会の魅力を伝えるためにも、ここをホームにして、しっかりとやっていきたい」。そう強く思うようになったことも大きな要因です。

Q.アーティストの時期に、外部の教室やコミュニティーにも参加されたからこそ、協会の良さやご自身との相性の良さに改めて気づくことができたのですね。
Erikaさん
Erikaさん
はい、自分にとってなくてはならない居場所です。協会に所属されている先生方も本当に素晴らしい方ばかり。特に野津代表は癒されているだけではなく、芯がしっかりとあってビジネス面でも学ぶことが多いです。ここでなら、ずっと安心してミニチュアフード作りに取り組めると確信しています。

Q.「協会の雰囲気」という言葉に納得です! 実は先日野津代表とお話しをした時に伺ったのですが、実は誰もが協会の講師になれるわけではなく、多面的な審査があった上で選ばれているんですよね。技術はもちろんですが、人柄もしっかりと審査されているからこそ、独自の雰囲気が作り上げられている。今、Erikaさんのお話を聞いて、しっかりと腑に落ちました。
Erikaさん
Erikaさん
私もそんなメンバーの一人として、協会の期待に応えられるよう努力していきたいです。4月からよみうりカルチャー自由が丘で認定レッスンを、よみうりカルチャー荻窪で趣味クラスを担当します。先生と呼ばれることを想像すると緊張しますが、それ以上にワクワクしています。

Q.Erikaさんなら、きっと素敵な先生になると思います! 講師として、工夫したいことや、取り組まれたいことはありますか?
Erikaさん
Erikaさん
作り方を多方面から研究して、生徒さんの個性に合わせて作り方を提示できる、引き出しの多い講師になりたいです。誰でも得意や不得意があるので、一番楽しみながらミニチュアフード作りに取り組める環境を提供してあげられるように取り組みたいです。そのためにも、自分の技術・知識・経験をさらに深めたいと考えています。

Q.まるで伝道師のよう! Erikaさんはどんな未来を目指しているのでしょうか?
Erikaさん
Erikaさん
とにかく、ミニチュアに触れていられる毎日がとっても幸せなので、ずっと関わっていきたい(笑)。そして、ミニチュアフードを通じて挑戦できることには、何でも積極的に取り組んでいきたいです。



Q.大好きが溢れていますね。挑戦という面では、最初にお話しされていたコラボレーションの夢は叶いましたね! 2月19日から横浜髙島屋で開催されるミニチュアフード展「A Little Bit of Japan2025」で、崎陽軒とのコラボアイテムを担当されると聞いています。
Erikaさん
Erikaさん
企業から正式に依頼を受けて作品を作ることは夢でしたし、とっても嬉しかったです。商品を可愛く作る先輩方がたくさんいらっしゃる中で、自分なりの個性を出そうと、横浜工場の限定版を作ることに決め、紐の結び方までしっかりと研究。何度も試行錯誤を重ねながら完成させました。会員になれたからこそ実現できたことの一つで、本当にありがたいです。



Q.普通に個人で制作していても、なかなか大手企業とのコラボは実現できないですよね。本当におめでとうございます!
頑張り屋さんのErikaさん。制作するものも多く、お忙しいと伺っていますが、疲れたり、ちょっと休みたくなったりすることはないのですか?
Erikaさん
Erikaさん
好きなことに出会えたから、今が楽しくて仕方がないんです。ミニチュアフードは私にとって特別な存在過ぎて、ストレスなどを感じることはないのですが指が疲れちゃったり、アイデアに行き詰まったりしたら、カフェなどに出向いて、ミニチュアフードの作り方などをノートにまとめる作業を楽しんだり、次のネタの視察に出かけたりしています。

Q.休憩までミニチュアフードだなんて、本当にミニチュアフードが好きなんですね! 最後に、Erikaさんの展望や目標があればぜひ聞かせてください。
Erikaさん
Erikaさん
ミニチュアフードって、生きる上で欠かせない「食べもの」がテーマ。だからこそ、人生を通じてずっと楽しんでいけると思っています。家族との思い出や日々のことも作品に落とし込んで、残していきたいですね。
今後もずっとミニチュアフードに携わって、人生を共に歩んでいけたら幸せです。



Erikaさんプロフィール
日本ミニチュアフード協会会員
東京都出身・在住。2020年8月から協会のオンラインレッスンに参加し、21年4月に日本ミニチュアフード協会認定の会員アーティストとしてデビュー。24年3月に認定講師の資格も取得。25年4月からクラス担当が決まっている。

また、2月19日(水)〜25日(火)に横浜髙島屋で開催するミニチュアフード展「A Little Bit of Japan2025」に作品を出品。初日と最終日は店頭スタッフとして接客も。Erikaさんと実際にお話ししてみたい方は是非この機会に行ってみてくださいね。
●活動の様子や新作を掲載しているインスタグラムはこちら
●HP

【編集後記】

Erikaさんのお話を伺う中で、一つの共通するテーマがありました。それは、「好きなものへの純粋な情熱」です。
ミニチュアフードを「作る」ことはもちろん、協会の理念や会員たちとの交流まで、すべてを楽しんでいる姿が印象的でした。「ミニチュアマニアなので!」「推し活もミニチュア推しでやってます」と、ご自身で笑いながら話されるその言葉からも、どれほどミニチュアフードに夢中になっているかが伝わってきます。
また、Erikaさんは「効率化」が得意で、何かをまとめてマニュアル化する作業が好きなのだそうです。そのスキルを協会のために生かし、より多くの人が学びやすい環境を作りたいという強い想いも語られました。


Erikaさんが作った資料

今回のインタビューを通して、こんなにも一つのことに夢中になれる「何か」と出会える人は稀なのではないかと感じました。柔らかく優しい雰囲気を持ちながら、ロジカルな思考と揺るがない軸を持つErikaさん。その姿勢が、今後の講師活動やアーティスト活動にも活かされていきそう。今後の活躍が、ますます楽しみです!

●インタビュー/tom
頑張る人が笑顔で生き生きと活躍できる社会を目指し、執筆やイラスト制作、デザインなどを行う。モットーは受け取った人の明日が今日より豊かになる情報発信。

※インタビューの内容の中に、現在の協会のシステムと異なる部分もありますが、
会員さんのお話の内容当時のものです。ご了承くださいませ。