インタビュー

2019.07.29

第8回 日本ミニチュアフード協会会員インタビュー【NONAさん】 | 日本ミニチュアフード協会

日本ミニチュアフード協会会員さんへインタビュー 第八回

樹脂粘土などでできたミニチュアフード。
その作り方が習える日本ミニチュアフード協会(以下協会)ですが、会員になって、もっとミニチュアフード作りを深めて楽しむこともできるんです。
作家として自分の作品を販売したり企業とのコラボ商品を作ったり、講師としてミニチュアフード作りを教えたりする方もいらっしゃいます。
このインタビューでは、そんな会員さんたちにお話を聞いていきます!

第八回は協会トップアーティスト・講師(スペシャリスト)のNONAさんです。協会の中心人物としても活躍されている、協会にとって欠かせない人物の一人です。
スイーツのアクセサリーやケーキ屋さんなどの箱の中に入ったミニチュア作品など、可愛く明るい色遣いの、どこか柔らかい雰囲気の作品を生み出すNONAさん。毎回商品は大人気で、百貨店販売の際は追加注文が入るほど。店頭に立つとお客さんからサインを求められることもあるそうです!一体なぜそんなにも人の心を惹きつけるのか・・・。インタビューの日、NONAさんは優しいオーラを纏い上品な笑顔を咲かせて、その場所に現れました。
柔らかい空気の中、インタビューは始まります。


NONA
NONA


すみません。私なんかでいいんでしょうか~。記事にしていただくほどの話があるかどうか(笑)


Q. いえいえ!協会では重要な方だと伺っています。お子さんもいらっしゃるのですよね?お時間大丈夫でしょうか?


NONA
NONA


28歳と23歳の息子がいますが、二人とも独立しましたから!

Q. え!そんなに大きなお子さんが?!見えないですね。お若い。では、遠慮なく色々伺いたいのですが、
まず、協会に入られたきっかけは??


NONA
NONA


もともと主人の仕事の都合で住んでいた上海でミニチュア作りを習っていたんです。それが15年前位ですね。習い始めて1年半ほどで日本に戻ってきたんですが、その後は、私と同じ頃に上海にいて、同じくミニチュア作りを習っていた、友人のOGUさん(現・日本ミニチュアフード協会会員・アーティスト)と月に一回ほどお互いの家を行き来してミニチュアを作っていたんです!本を見ながらですが、自己流でお互い好きに作っていましたけど。
あるとき私が新聞の広告でこの協会のことを見つけて「こんなのあるよ!」ってOGUさんに伝えて、2015年の10月に二人で教室に通い始めました。


大人気のパンアクセサリー

Q. お友達と一緒に入られたんですね。ミニチュア作りをずっと続けていらした中、敢えて教室で習い始めたわけですが、いかがでしたか?


NONA
NONA


これまで知らなかった技術もありましたし、好きなものを自己流で作っていた頃はスイーツ系ばかり作っていたので、お食事系のミニチュアフードは初めて習いましたから、色々発見があって楽しかったです。
(技術自体は)簡単なのにとてもリアルにラーメンなどが作れることにも驚きました。
あとね・・・(笑いながら)通っていたのは、野津代表が先生をしているクラスだったんですが、代表がね
「なんで(そんなに上手なのにうちの協会に)習いにいらしたんですか?」っておっしゃって!!なんて気さくで飾らない先生なんだろう!と思ったんですよ。そんな謙虚なことを先生という立場の方がおっしゃると思わないじゃないですか~。それもいいな、と思いました。

Q. そうだったんですね!ではわりとリラックスして楽しみながら習えたということですね!


NONA
NONA


はい。でも段々気になることが出てきました。
一緒に習い始めたOGUさんが私よりもすごく上手だったんです。毎回、お見本より一回り小さく作品を作るんですよ。細かくてすごいな、それに比べて私の作品は普通だなあ、って落ち込みました。もっとOGUさんみたいに完璧に作らなくちゃ、と焦りました。

Q. 人と比べて落ち込んでしまうことってどんなことでも誰しもありますよね。でもそうなると楽しめなくなっちゃいますね。その悩みからは脱出はされたんですか?


NONA
NONA


はい。いつもOGUさんに「OGUさんみたいに上手にできない~」とぼやいていたんです。そしたらあるときOGUさんが「みんなの作品はそれぞれ違うけど、みんなそれぞれ良さがある、みんな違うから良い」って言ってくれたんです。
それで「あ、私にしか作れないものがあるのかもしれない・・・!」と思えたんです。

Q. それに気がついたらもう無敵ですね!そこから続けられて、講師になられたんですね。


NONA
NONA


2017年の4月にアシスタント講師にお声がけいただきました。(※当時のシステムです。)

Q. 声をかけられていかがでしたか?


NONA
NONA


実は、習い始めたころから、講師を目指せることを知っていたので「いつか講師になれたらいいな」と思っていたんです。野津代表からは「講師のアシスタントなんて無理ですよね??」と遠慮がちに声をかけていただいたのですが、「これはチャンス!逃しちゃいけない」とお受けしたんです。
アシスタントの頃は覚えることがいっぱいで必死でした。そのあと2018年に講師をさせていただくことになりました。



Q. 講師デビューをされてからはいかがでしたか?


NONA
NONA


実は、最初から二つの教室を受け持つことになったんです。教えるのは初めてなので不安でしたが、野津代表がアシスタントに入っていただいたので(※当時のシステムです。)心強かったです。
それに一つの教室で講師をして、代表からアドバイスをいただいたら、もう一つのところではそれを活かす、という風にやっていましたね。その方法もとても勉強になりました。

Q. どんどん講師としてのスキルが上がっていったんですね。今でもNONAさんの教え方はすごく丁寧だと評判ですよね。


NONA
NONA


いえいえ、そんな~。
丁寧、という意識はないですけど、作品の作り方の段階ごとに見本を作るのですが、その見本を作るときは自分が作品づくりをするときに悩む部分を踏まえて、一目見てわかるように、と思って作ります。

Q. 作品作りの途中経過を一つずつ見本にしていくんですね。説明が細かくなればなるほど必然的に見本の数は増えますよね?大変ではないですか?


NONA
NONA


全然!それが楽しいですから。完成品の見本もバリエーションを変えていくつか作っていきます!少しでも参考になれば、と、思って。

Q. 生徒さん目線で考えていらっしゃるんですね。準備をしっかりしてレッスンに臨まれているのですね。


NONA
NONA


そんな大したものでは・・・!心配なので準備だけはしっかりするようにしているだけなんです。
講師を始めた頃、授業の進行を間違ってはいけないからと思って、手書きの小さいタイムスケジュールを作ったんです。それを筆箱の裏に貼ってチラッと見えるようにしましたね。アタフタしているように見えちゃうと、生徒さんが不安になるかな?と思って、さりげな~く進行を確認できるようにと。・・・実は、今も筆箱の裏に貼ってますけど。バレないように!笑 あ!ここで言っちゃうとバレちゃいますね?!

Q. あはは!でもそれだけスムーズに授業ができるように工夫されているということですから。


NONA
NONA


そうなんですけど、どうしよう!?筆箱みせてください~なんて言われちゃうかしら!(笑)
生徒さんの中には、とてもやる気のある方もいらして、そういう方を見ていると私も頑張らなきゃ!と思います。

Q. 教え方が丁寧だからNONAさんのクラスの生徒さんは上達が早いそうです。そんな生徒さんから刺激を貰うこともあるんですね。


NONA
NONA


はい。純粋に、上達される方や熱心な方を見ていると嬉しいですしね!。
よく思うのが、惰性で教えていたらいけないな、ということです。
ミニチュア業界は、どんどん新しい技術がでてくるんですよ。知らない技術も次から次に出てきて進化しているんです。そういうことに敏感になって新しい技術も取り入れていかないと、古いやり方のままではいけないな、と日々研究しています。
だってタダでさえ、野津代表が可愛らしい方でしょう?代表のインスタグラムを見て私の教室にいらっしゃった方が「おばさんだ」ってガッカリされないか心配なんです~~!

Q. そんなことないですよ~(笑)(読者のみなさん、実際はとてもお綺麗で上品な方なんですよ!)
野津代表によると、NONAさんのクラスは楽しい雰囲気でとても人気だそうです。
優しい雰囲気でいらっしゃるから生徒さんたちも安心して習っているんじゃないですか?


NONA
NONA


いえいえ、そんな!も~おばさんで恥ずかしいです~!
あ!でもね、生徒さんの中には「こんな小さなもの、見えるかしら?」と不安げにおっしゃる方もいらっしゃるんですけど、「大丈夫ですよ!私にもみえるんですから!」ってお伝えしてます。(笑)

Q. 講師の方自らそういう風におっしゃるとなんだか和みますね。 NONAさんとお話していると自然にこちらも笑顔になっていきます。講師だけでなくトップアーティスト(作家)としてもご活躍のNONAさんですが、作品からも優しさが伝わるものが多いですよね。 初めて販売をされたのはいつですか?


NONA
NONA


百貨店販売は2016年夏ごろでした。(※当時のシステム上、NONAさんは販売ができました。)
その時は、ケーキ屋さんやパン屋さん、サンドイッチのキットを出しました。キットっていうのは、パーツをそれぞれバラバラにして、お客様が好きなものを選んで組み合わせられる商品です。好きなサンドイッチのパーツを選んで、最後にボンドでくっつけて完成させるんです。

Q. アイディア商品ですね!これが人気で追加注文もあったそうですね!


NONA
NONA


ありがたかったです。この販売の経験も自信になりました。



Q. その後も百貨店へ作品はどんどん出品されていますよね。他にはどんな作品を作っていらっしゃいますか?


NONA
NONA


縦12㎝×横15㎝ほどの小さな箱の中に入ったケーキ屋さんや、ソーイングルームなんかも作ります。
実は私、友人がパッチワークの先生なので、少しやったことがあるんですよ。そのパッチワークを活かした作品が作りたくて。パッチワークで使う布を30種類以上と、レースや糸を使って、ミニチュアのかごを編んで・・・。ミシンのあるソーイングルームです。(※この作品はフードではありませんがNONAさんは他にフードを使った作品も出品しており、協会側からの許可も得て出品しています。)

Q. この作品もミニチュアフードを初めて見た!という方の目も惹きつけるほど人気があるそうです。小さな箱の中に、ミシンの他にも机やお裁縫道具、色んなものが盛りだくさんに入っていてかわいいですよね。


NONA
NONA


モリモリにしたくって!手にした人が「あ!こんなところにハサミが!」「あ!ここには糸巻き!」と発見を楽しめるようにと思って作ります。「ここにはこれを入れようかな?」とアイディアが湧いて、これを作っているときが楽しいんですよ。

Q. 宝探しみたいですね!そういう絵本もありますよね。なんだか作品に夢があります。
またNONAさんが認定試験で作られたクッキーのフォトフレームが評判が良く、店頭に協会の案内を入れて店頭に飾っていたら、購入希望が殺到して販売することになったそうです。人の心をぐっと掴む作品を作られている印象です。
そんな人気の作家さんでもありますが、百貨店販売の時、店頭に立たれることもあるんですよね。


NONA
NONA


はい。作家も接客を担当します。私はその他に店頭で行うワークショップも担当させていただくこともあります。
そのとき、私の作品を購入してくださったお客様が「作品の裏にサインをください」とおっしゃってくださったことがあるんです。嬉しかったですね~!ほかにも、わざわざ購入した翌日にもいらして「良い作品ですね」って伝えてくださった方もいらっしゃいました。



Q. それは売り場に出てお客さんと直接触れ合わないと出来ない経験ですね!
それに作家さんにお会いできるのは、お客さんにとっても嬉しいことですよね。
2019年8月7日~13日の横浜タカシマヤでの販売でも店頭に立たれるんですよね。間もなくですね!
NONAさんに会いに来られるお客様もいらっしゃるかもしれませんね。


NONA
NONA


いや~~!!がっかりされないかしら。作った人がもっと素敵な人だったら良かったのに、私でごめんなさいって思います~・・・!

Q. ずっとそうおっしゃっていますが、そんなお人柄だからこそ、作品も愛されるのではないかと思います。


NONA
NONA


私は、最初にお話した通り、私は「細かく精巧に作る」「ラーメンならラーメンだけで成立させるように本物みたいなものを作る」というのが出来ないですから、たくさん色んなものを組み合わせて、雰囲気を楽しんでもらうんです!技術がイマイチなんで・・・笑

Q. 謙虚におっしゃっていますが、野津代表によると、その技術ももちろん素晴らしいそうですよ。
アクセサリー系の商品も人気があって、パンのイヤリングを作ったらなんとニューヨークでの展示販売では一番人気だったそうです。
そんなNONAさんは、現在、冒頭にもある通りyuReamさん(※インタビュー第一回参照)の協会の主要メンバーになられているそうですね。


NONA
NONA


私は、yuReamさんの足元にも及ばないんですが、代表とyuReamさんと一緒に百貨店販売の際、リーダーとして搬入やディスプレイを担当させていただくこともあります。また、協会を運営している株式会社COREIINAの会議に参加したり、百貨店に出品する作品をエントリーの中から選ぶ審査員もさせていただいたりしております。

Q. すごい大役ですよね。他の人が気が付かない細かいところにも目が行き届くので、本当にそのポジションの中でも欠かせない人材だと代表から伺っています。
自信を失う経験もされながらここまで続けられたNONAさんですが、今後の展望はありますか?


NONA
NONA


・・・・え~と・・・展望・・・?う~ん、野望は、ないんです~ごめんなさい~(笑)
むしろ、最近協会が大きくなって人数も増えているから、上手な人もどんどん入ってきているんですよね。
だから、私はもういい(必要ない)って言われるんじゃないかって、それが心配です。

Q. ・・・!!思いがけない反応でびっくりしました!!そんなことはまずないと思いますけど・・・!
NONAさんらしいお答えかもしれません(笑)だからこそ、NONAさんのように新たな技術を研究されるなどの努力をされて、結果、永遠に輝き続けるのではないでしょうか。
では、これからミニチュアフードを習ってみたいという方に一言お願いします。


NONA
NONA


ミニチュアフード作りって、思っているほど難しくないんです。
作ることが楽しくてハマっしまいます。「ちょっと不器用だから無理かな」と思う方でも、大丈夫です。
興味が湧いたらどんどんチャレンジしていただきたいな、と思います。
それとね、新しい世界も開けるんですよ!
私も昔は行動範囲が決まってしまっていたんですが、ミニチュアフードのおかげで、遠方の教室や、百貨店に足を運ぶようになって、いままで一人では行ったことのない土地行く機会が増えました!
それに、インスタグラムも始めたんです♡(@nona._.mini)でも写真を撮り忘れちゃうのでまだまだなんですけどね(笑)

週に3~4回スポーツジムで30分ほど汗を流すというNONAさん。はつらつとされていて、とても楽しそうにお話しくださったことが印象的でした。また、インタビューでお話を伺っているうちに、失礼ながらもずっと以前から存じ上げているお友達だったような気になってしまいました。きっと世代関係なく会う人全てに、いつの間にか安心感と親近感を感じさせてしまう、相手の心を開かせてしまう、それがNONAさんの無敵な魅力なのでしょう!
今後の事を伺っても、野望どころか協会の重要メンバーでトップアーティストとは思えない心配までされていましたが、そういえばあのイチロー選手も引退会見でそのようなことをおっしゃっていました。長く続けてレジェンドになるような方は意外とこんな風に考えられているのかもしれませんね。
そんなNONAさんの作品は文中でも述べましたが、ミニチュア作品にこれまで興味がなかったというような人の心をもガッチリ掴んでしまいます。
百貨店販売のときは、店頭に立たれることもあるそうなので、是非足をお運びください。(※2019年7月現在の今後の予定は下記参照)
ぐっと惹き込まれるNONAさんとその作品達の魅力をぜひ感じていただきたいと思います。
NONAさんプロフィール

日本ミニチュアフード協会 トップアーティスト
日本ミニチュアフード協会 認定講師/スペシャリスト

展示・販売
・蔦屋家電販売・展示
・横浜高島屋販売・展示
・新宿伊勢丹販売・展示
・ANIME NYC展示
・NYC「RESOBOX」展示会販売

〈百貨店販売予定〉※NONAさんが接客を行うものから紹介しています。

◆横浜タカシマヤ
ミニチュアフード展「A Little Bite of Japan」

【開催日時】
2019年8月7日(水)~13(火)
10:00~20:00(最終日は17:00まで)

【場所】
横浜タカシマヤ 7階 
バストイレタリー売場

【ワークショップ】
8/10(土)、11(日) 11:30~16:30(随時受付)
場所:7階 バストイレタリー売場

※期間中NONAさんがいつ店頭に立つかは未定です。NONAさん以外の他の作家さんも接客をしますので、どうぞよろしくお願いします。今後も販売の際は、作家さんや会員さんが店頭に立って皆様をお迎えします。

◆西武池袋本店
IKESEI菓子博 真夏のスイーツフェスタ
ミニチュアフード展「A Cute Little Sweets World」

■会期:
8月2日(金)~12日(月・祝振)
■会場:
西武池袋本店3階(中央A6)
婦人服フロア特設会場

☆同時に和菓子作家の坂本紫穗さんとのコラボ展示も開催

ミニュチュア和菓子展示
「小さな小さな和菓子のささやき」
■会期:
8月2日(金)~12日(月・祝振)
■会場:
西武池袋本店3階(中央A6)
婦人服フロア特設会場
■概要:
和菓子作家、坂本紫穗(紫をん)の作品をミニチュアで表現。
空想の茶室からカラフルな和菓子たちが飛び出し幻想的な世界を繰り広げます。
精巧に作られた指先サイズの和菓子たちをお楽しみください。

監修:和菓子作家 坂本紫穗 
制作:日本ミニチュアフード協会 Hinasuke /あまいろ堂

7階催事場では「菓子博」も開催しております。
※こちらはNONAさんは店頭に立ちませんが、NONAさんの作品は出品されます。

↑●開催時間はどちらも各百貨店の営業時間に準ずる。最終日のみ終了時間が変わる可能性があります。


インタビュー・著 みけ♡

※インタビューの内容の中に、現在の協会のシステムと異なる部分もありますが、
会員さんのお話の内容当時のものです。ご了承くださいませ。